特撮ロケ地の記録

東映特撮のロケ地をひたすらチェックするブログです。分析はしません

高エネルギー外傷という単語

新型コロナ禍の直前までは、JATEC、JPTECのインストラクターをしていました。

まだ資格は維持していますが、今後も続けられるかどうか…長時間ですし、地理的に参加しづらいんです。

 

JPTEC指導当時の記憶ですが、高エネルギー外傷という単語は使わなくなり高エネルギー受傷機転だとか高リスク受傷機転と説明していたような?

忘れかけていたので、JATEC第6版(以下引用元)で確認しました。

病院前での評価に関してです。完全転載の可否がわからないので適宜はしょります。

 

トリアージ基準として、生理学的評価と解剖学的評価に受傷機転の評価を加えることで、アンダートリアージは少なくなる。

この対象となる受傷機転を「高リスク受傷機転」という。(p.249 第一段組)

 

その評価項目にまずあげられるのは、大きな運動エネルギーが作用する鈍的外傷である。(中略) このような高エネルギー衝撃が生じる機序を高エネルギー事故と称している。(p.249 第二段組)

 

挟圧外傷では、外傷性窒息や圧挫症候群といった特異な病態を呈する。(中略) わが国のトリアージ基準では「高リスク受傷機転」に挟圧外傷や機械への巻き込まれ事故を含めている。(同上)

 

受傷機転と高エネルギー衝撃の評価(p.264)

⚪︎同乗者の死亡した単独事故

⚪︎車外に放出された車両事故

⚪︎車の高度な損傷を認める車両事故

⚪︎車に轢かれた歩行者・自転車事故

⚪︎5m以上もしくは30km/h以上の車に跳ね飛ばされた歩行者・自転車事故

⚪︎運転手が離れていた、もしくは30km/h以上のバイク事故

⚪︎高所からの墜落(6m以上または3階以上を目安、小児は身長の2から3倍程度の高さ)

⚪︎体幹部が挟まれた

⚪︎機械器具に巻き込まれた

 

以上で該当項目があれば高リスク受傷機転と判断され重症外傷の可能性があります。

必ずしも三次医療機関に限定されませんが外傷診療を行う高次医療機関の選定を考慮されます。

 

p.265には米国で使用されている”Field Triage Decision Scheme”が掲載されています。

日常的に重症外傷を診療しない医師こそJATECの知識が必要になると思います。

Preventable death回避のためにもぜひご購読を。